2008年06月08日
【箒川 C&R】先の見えた勝負など…
渋い釣り、というか率直に言ってボウズが二回続いたから…というわけでもないのだが、今回は確実にサイズ&数、そしてロケーションもイカすことが約束された能天気な釣行をしようかと。
なんて言ったら場所は当然、箒川のキャッチ&リリース区間。なにせ前回、50、60アップを交えて36匹を格段の苦労もなく釣り上げた場所だ。
釣りってものが、同じ場所に二回行ったからと言って同じような成果が得られるほど単純なものじゃないなんてことはもう十分に知っているが、しかし彼の地はキャッチ&リリース区間であり、また今回も前回同様に放流日。似たような釣果を期待するのは馬鹿げてはいないだろう。
さてさて、今回は出来レースみたいなもの、釣れるか釣れないか?なんてことは心配はしていない。いかに楽しむかだけが問題だ!
釣れるとわかってたら釣りは面白くない。それも真理。だが、大きいのがたくさん釣れるのは面白い。これもまた事実。ふははは!
なんて言ったら場所は当然、箒川のキャッチ&リリース区間。なにせ前回、50、60アップを交えて36匹を格段の苦労もなく釣り上げた場所だ。
釣りってものが、同じ場所に二回行ったからと言って同じような成果が得られるほど単純なものじゃないなんてことはもう十分に知っているが、しかし彼の地はキャッチ&リリース区間であり、また今回も前回同様に放流日。似たような釣果を期待するのは馬鹿げてはいないだろう。
さてさて、今回は出来レースみたいなもの、釣れるか釣れないか?なんてことは心配はしていない。いかに楽しむかだけが問題だ!
釣れるとわかってたら釣りは面白くない。それも真理。だが、大きいのがたくさん釣れるのは面白い。これもまた事実。ふははは!
当日は、金曜日だが、だいぶ貯金している有給を使っての平日釣行。
漁協のHPにある情報によれば、箒川C&R区間の遊漁料は高い日と安い日がある。見たところ、高い日はつまり放流直後の3日間で、それは原則毎週の金土日曜日。つまり、この日の金曜も放流日直撃というわけだ。
週の前半では季節先取りな台風が訪れて天気が荒れたものの、当日は晴れ。朝6時前に高速に乗り、前回の経験から9時前後と推測される放流の頃から釣れるようにと、限りなく爽やかにハイウェイドライブ。カーステレオにあわせて一人カラオケも弾むというものだ。
現地に着くと、またもや一番乗り。ひゃっほう!
用意をして、川を覗く。
…魚、少ねえな。前は放流前でももっと大小ともに魚影が濃かった気がするが…。
まあ、どっちにしろ、しばらくすればフレッシュな魚が補給される。そいつらが俺を存分に楽しませてくれることだろう。それまでまあ、大型は難しいかも知れんが、ちょっとスレた小ワッパでも相手にしてやるかね!
夕の原バス停前から、川に入ってまずは瀬を狙う。ほどなく小型のヒットがあったが、残念ながらバラす。ま、この調子なら時間の問題で…。
…なんてやってるうちに、流芯の向こう岸から引いてきたPURE赤金3.5gに、どこから現れたか思いがけず50cm近いかそれ以上とも思える大型の魚影が反応!
いよっし!来い!カモン!レッツ・バイト!!
…。
ぷい、だってさ。
まあ、居残りの大型はそう易々とはね…と気を取り直して攻めるも…ちょくちょくチェイスはあり…ただなかなかバイト、フックには…いや…大型とか小型とかって問題じゃなくて、何も釣れてなくね?あれ?
激しい不安に苛まれつつも、上流の淵へと移動。
ここは大型が多く、小型もまた多い。つまり魚が多い…はずだが、今日はなんだろ、ウグイの群れみたいなのが目立つだけで…大型も1、2匹見えるが、底に貼り付いてやる気なさげな、いかにも「釣れない魚」だけか…。
もちろん、それなりに狙ってみるが…固執しても仕方ないので、対岸際まで投げて広く探る…で、ややして、待望の1匹目!
てまあ、ファイトを語るほどでもないサイズではある。大型に備えて持参した大径ラバーネットが寂しい。
…こんなサイズのためにこの川に来たんじゃないぞ…。とは思うものの、まあ、ほどなく放流だ。そうすりゃでっかいのが…。
なんて期待しつつもコツコツ粘って普通サイズを数匹追加する。
しかし…いい加減、放流があってもいい時間なのだが…。全然その気配がない。
ちょっと一休みと思い、クルマに戻り、防水防湿ウェーダーを膝までズリ降ろして涼む。ムレムレでジーパンが気持ち悪い。
…今年の春は、なんとも過ごしにくい。いきなり台風が来たり、寒くなったり、かと思えば今日は初夏そのものな暑さ。昨日と今日で気温が10度以上違うといったことがザラだ。
さて、このイマイチな状況について、駐車場に来ていた漁協のオヤジに話を聞いてみる。
最初に、大事なことについて訊く。
「放流はないんですか?」
「さあ…。偉い人が決めることだからわかんない」
「…。」
シット!こいつはまんまと嵌められたよ…。
…俺は咄嗟にそう直感した。
このオヤジは、自分で放流日を決められないのは確かだろうが、知らないわけはないんだよ。前回だって知ったし、放流するなら準備が必要だ。思いつきでやるもんじゃないんだから、漁協関係者が当日に「わからない」なんて話はあるわけない。
つまり、「わからない」は、サイトなどで告知されていた「予定した放流は無くなった」。そういう意味だろ?ただ放流日じゃないならそう言えばいい。予定を告知なくキャンセルしていることが後ろめたいから「わからん」と誤摩化すんだろう?
ちきしょうめ…今日はしっかり”特定日料金”で遊漁料(2500円)とってるくせに…。
…が、しかし…漁協のサイトや案内ビラには、特定日がおよそ金土日の週末に設定されており、放流日が毎金曜日に設定されていたものの、「放流日後3日間が特定日」とはどこにも書いてなかったから、文書的には…放流と割り増し倍額料金は無関係か…。
と、俺の超頭脳は一瞬にして漁協側の用意してあるであろう言い訳に思い至ったので、これ以上現場担当のオヤジに詰め寄るのは止めにした。
その他、訊いた話では…
まず、先日の台風でだいぶ水が出たので、魚がだいぶ流されてしまったようだ、という話。
そして、昨日に、なんでも下野新聞の何とかだか、中禅寺湖に最初にカワマス(ブルックトラウト、パーレットマス)を放した外人の孫達とか、なんとか銀行の重役だとか、とにかく何かセレブ感を漂わせたおっさんどもが10人くらいの団体で来て、ここら一帯をかなり叩いて行ったらしい(人物について、俺はそう聞いただけで事実に正確は知らん)。C&Rなので、だとしても魚は減らない筈だが、スレてる感はそれが原因かも、とかいう話。
また、そのセレブ団体?においても、ルアーはだいぶ苦戦しているように見えた、とのことで、時期柄、ルアーよりフライ有利になっているんじゃないかとも…。
…とかなんとか言う話で、まあ結論を短く言うと予想外に渋い状況の上、放流もキャンセルという、非常に面白くもない話だった。
こんなことなら管理釣り場か、同じ箒川でもいっそC&R区間外か行っておけば良かった…。
なんて一瞬思いもしたが、いや、ここに来てそんなこと言ってても時間の無駄だ。
なんにせよ、ここは頭を切り替えて行くしかないな。
では、大物をイージーにウハウハ、は諦めて、じゃあ何をしようか…。
しばらく、すっかり高くなった日差しを避けて木陰で一服しつつ思案。
で、久々にテンカラをやってみることにした。
まあ、毛鉤有利の情報に安易に従う…ってのも1ミリも無いとは言わないが、そればかりが理由じゃない。
このダイナミックなフィールドで毛鉤を振るのも面白いのではと考えて道具を持って来ていたのだ。いや、ほんとに。いつもテンカラの道具も持って来てるわけじゃないし。
ま、道具って言っても、ロッドと、テーパーラインだけ。
テーパーラインには予めリーダーと毛鉤(エルクヘアカディス)が結んである。テンカラでもインジケータ付けてやる人もいるようだが、そこまでしようとは思わん。漢は黙ってドライフライ。でも沈めちゃう。けどサイトで勝負。俺の毛鉤釣りはそんなところ。繊細なことをしようという気はなく、限りなく原始的?なノリを楽しむ流儀だ。
川に降りて、下流川に広がる荒瀬へと進む。こんな場所で毛鉤を流したことはないんだが…どうしたものか…。
とりあえず、岩などに絡んで、わずかでも流れが縒れて、水が弛んでいるところを狙って毛鉤を打つ。ややして、1匹のニジマスを掛けるが、これは…うーん、ワケがわからないうちに掛かっていたという感じ。
ちょっと見渡して、浅瀬を渡って対岸方向へと進む。対岸では、樹々が岸際に陰をつくっている。その岸際で緩く流れるところには、きっと魚が着いているんではないかと。
頭上に枝が被さるような狭い場所で、岸際の小さなポイントを狙い撃ち。このようなポイントはテンカラの独壇場ではなかろうか。ちなみに俺は、こういう頭上のクリアランスがない状態ではロッドは横にして振るようにしている。
で、流れに乗せて毛鉤を流す。
流すと言っても1、2mがいいところ。それでも、水中でそれを追う影が見える!軽くアクションを加えると、魚影が加速し、反転と同時にあわせ!…ると、ぐんと竿を重さが乗る!!
その場では竿が立てられないので、ちょっと下がって本流側に出して取り込んだりと、なかなか楽しめる。あはは、イイ感じじゃないの!
と、まあ、そんなこんなで、30分余りの間に7匹を釣る。
釣れて来る魚は、いいとこ30cm程度のニジマスだが、総じて、今日この辺りでルアーで釣れて来た魚よりは大きく、太く、魚体も綺麗な傾向。
ざっくりと釣ってまた入渓点近くまで釣り上がって来たので、そのまままたクルマに戻る。まあ、テンカラは今日はもういいや。おなかいっぱい。
さて…。
ということで、やはりルアーで大型を狙わなければいけないのだが…。
その後再度、曲がり淵でちょっと粘るが、ほとんど動くことのない1つ2つの魚影、今日は前回以上に透明度が高く、他に大型は見当たらない、それを狙ってネチネチとヘビーシンキングミノーを投げたりするのは虚しくなって来たので、すっぱり諦めて移動。の前に昼飯。
またGijieに倣ってしまって「花水木」という小洒落た食堂に行き、豚生姜焼きを食べる。…1,050円というハイコストながら、それに十分見合うと思える肉。厚く柔らかく、かなり美味かった。ただ、個人的に難点を言えば、ガーリック風味の肉にレタスのサラダって、これは生姜焼きというよりはポークソテーといった趣。下味に生姜使ってんだろうと思うが、イメージとしてさ。やっぱキャベツとマヨネーズが欲しいなあ、この場合。
さて、ともかく味はよく満足し、釣り場の駐車場に戻って車内で1時間ほど昼寝もし、午後の部スタート。
グリーンビレッジの橋のところから川に降りて釣りはじめるが、やはり魚は前回よりだいぶ少ないなあ。
で、口を尖がらして歩いていると、ふと目に入ったのがこれだ(右写真)。
石、だね。川原の。地面とつながってないので転石と言う。
渓流なんか行くと、よくこのように穴ぼこが開いた石を見かけると思う。これなんでしょうか?
…はい、これは、実は化石。このあたりが沿岸だった頃に棲んでいたと思われる二枚貝の化石ですよ。砂の中に堆積した二枚貝の貝殻。ここら辺の地質はよく知らないが、数千万年程度は前のものではないかな。よく見ると、ちゃんと二枚貝の形が見て取れると思う。カキなんかの場合は不定形でわかりにかったりするけど。
岐阜や秩父あたりなら、サメの歯とか、アンモナイトなんかもポツポツ出るはず。極めて稀に恐竜なんかも。
そういうの好きな人は、今度から注意してみて見よう。
さて、そんな風に雑学臭い話に気を散らせつつも上流へと釣りあがる。前回同様、荒瀬の上、川幅が広く浅い瀬になったところで左岸へと渡る。
渡りながら上手の右岸、岸際の緩流にスプーンを投げ込むと・・・ククン!と軽快なアタリ!流れに乗せて取り込むかたちになり軽く寄って来るが、なかなか元気のよろしい…
ヤマメ!やっほう!
いやー、やっぱりヤマメはかっこいいね。平均的なサイズで見比べて、ニジマスよりイワナよりヤマメは格好いいと思う。やや尖った頭と縁取りのある目が、精悍な顔つき。プロポーションも均整が取れている。
C&R区間はニジマスしかいないものかと思ってたけど・・・。
成魚放流かな?腹側の鰭の端がまだ少し溶けてる・・・のはご愛嬌。
ま、サイズもたいしたもんじゃないけど、同サイズのニジマスに比べるとちょっといいもの釣った気分。あはー。なんて上機嫌で、だいたい川を渡りきったところでふと気づくと・・・
あ!またネットが無くなった!!
腰に装着したガテン系な工具ホルダーに引っ掛けていたのだが・・・さっき、一瞬膝上くらいの深さまで入った時か!?
本来なら管釣りスペシャルな大型ラバーネット、今回特大サイズがあんまいなくてまったく不要の長物と化していたが、管釣りに行くときは必須アイテムなわけで・・・でかいし白いし見つかるだろ、とうろうろとするが・・・・おやあ?まったく見つからない。
あんなものが、そんなに自由気ままに流れていくものだろうか・・・?そう思い、春先に思川で渓流用ネットを失くした時と違い結構しつこく探したのが・・・結局見つけられず。
うーん・・・でかいものを不法投棄?してしまった・・・無念・・・。
まあ、仕方ないので釣りの続き、上流へ。
開けた流れはしばらく行くと再び激しくなるが、先ほどの大岩を配した激流と違い、今度は凝灰岩の岩盤が珍妙な光景を見せる、ある意味でこの区間一番のポイント。
左の写真。ちょっと下手だったな。わかりにくいが・・・3本の爪状になっている岩がわかるだろうか。これ、3個の岩じゃなくて、1つの岩、というか岩盤。
それが、にょっきりと3本の岩を尖らせて、その懐に丸い岩(一抱えよりはデカいくらい)が嵌ってる。よく見ると、ちょっと珍しい状況だと気づくはずだ。
これは、ポットホールと呼ばれる地形の、ちょっと変種というか出来損ないというかではないかと。
真ん中の丸い石は、周囲を削り滑らかな窪みを掘り下げつつ、自身もツルツルになっていっているのだろう。かなり長い時間、ここに鎮座しているのではないかと思う。
この丸いのが、ゴロンゴロンと大水のたびにここで動きつつも嵌りきって脱出は出来ずにいるわけだ・・・ご苦労な話だなオイ、なんて悠久の時を感じさせずにはおかないものの比較的どうでもよいことを考えつつ、この岩の手前とすぐ下流についている魚を狙って3.5gPURE赤金などキャスト。
流芯の方から引いてみたら、思いがけず50cm級、しかもコンディション良し!な魚がチェイスするも、マウスオープンは無し・・・。
それでも、比較的反応がいい魚はいるなとしばらく周囲を狙うと・・・
再び、ヤマメ!
サイズとかはさっきと同じくらい、やっぱしビジュアルはいい。・・・だけど、引きはやっぱニジマスだな。ヤマメは、イワナほどじゃない気がするが、やはりグモグモと回転するような引きが多く、直線的に突っ走り跳ね回るニジマスの引きの方が手ごたえ的には面白い。
ブツブツと贅沢なことをアレコレ考えながら、なおも釣りあがる。そういやだいぶ日も傾いて来た。
岩盤帯が終わると今度はまた開けた瀬。ほんと、ここは短い距離の中でも景観に変化があり、そういう意味では飽きずに楽しめてよい。
今日はだいぶ暑く、水温も高いのかなというのと、淵などのいかにも釣りやすくネチネチと狙い易いところの魚はやはり叩かれてスレてるのかな、と思ったので、実はここからの瀬には期待している。
だが、こういう場所ではあんまり釣ったことがない(またか。つまり単に経験浅いのよ)。
どっしよっかなーーーーとしばし考える。
スプーンは、軽いのは流されちゃって泳がないし重いのはすぐに根掛かりそうだ。
フローティングで、強い流れにもきっちり泳ぐヤツがいいのかな・・・。
ということで、チョイスしたのはパニシュ赤金。こいつも今日のためにフックはシングルに変えてある。
こんなところでちゃんと泳ぐかね~、魚は追えるんかね~、なんて半信半疑で呟きつつキャスト。すると、数投で追ってくる魚影を確認。
お!いけるのか!?と勢いこんで、石の後ろなど、小さく弛み、深さがあるスポットを絡めて引くと・・・ググ!という手応え!
30cm弱のニジマスながら、強い流れの中でのファイトは実サイズ以上の手応えと緊張感を与えてくれるので、そこそこ楽しい。しかも、こんなところで、こんな感じでミノー投げて釣るというのは自分の中では今まで無かったので、新しいスキルを身に付けた気分だ!
その後、上流へ向かいながら2匹ほど追加、最後は温泉旅館前の平瀬で少し粘り、大型のチェイスが複数回あるもバイトに至らず・・・。
薄暗くなってきたので適当に切り上げた。
大型が約束された出来レースだ、なんてタカをくくっていたら思い切り足元をすくわれ、結局、期待していたような大型サイズは1匹も釣れず・・・。
それにしても放流が無かったのは、本当に「騙された感」たっぷりで残念だ。いや、毎日放流してくれという意味じゃない。予定を公開して、それに合わせるかのように遊漁料も倍近く差がついていれば、そういう状況を織り込んで出向くじゃないか。それで空振りすれば、「おい!」という気分になる。
でも、今日も結局、朝から通せば10回くらいは・・・40、50くらいのサイズはチェイスがあったのだ。それを1匹獲れてればだいぶ印象も違ったのだろうが、獲れなかったのは・・・まだまだ俺も修行が足りないな。
とは言え。
結局は、振り返ってみればヤマメを含めて19匹の釣果。
解禁直後でも追加放流日でもないネイティブフィールドでこの数なら、そう悪いこともないか。と、案外上機嫌で帰路についた。
【結果 】
2008/5/23
19匹、 うちヤマメ2匹、他ニジマス。
7匹はテンカラ。
20~30cm強程度。
ヒットルアーはPURE赤金とパニシュ。
失くした物:ラバーネットorz
…けど、やっぱ漁協には、公開情報で告知した予定はないがしろにしないでいただきたいものだ。何か事情があったんだろうとは思うが、そんなところで人間相手に「釣り」をやってどうする、と言いたい。
俺みたいに思いつきで来てとんぼ返りなのより、計画立てて旅館予約して泊まりで来てくれる釣り人が地元には期待されてるはずだが、こんなことじゃ、そういう客こそ遠のくんじゃないかね?
漁協のHPにある情報によれば、箒川C&R区間の遊漁料は高い日と安い日がある。見たところ、高い日はつまり放流直後の3日間で、それは原則毎週の金土日曜日。つまり、この日の金曜も放流日直撃というわけだ。
週の前半では季節先取りな台風が訪れて天気が荒れたものの、当日は晴れ。朝6時前に高速に乗り、前回の経験から9時前後と推測される放流の頃から釣れるようにと、限りなく爽やかにハイウェイドライブ。カーステレオにあわせて一人カラオケも弾むというものだ。
現地に着くと、またもや一番乗り。ひゃっほう!
用意をして、川を覗く。
…魚、少ねえな。前は放流前でももっと大小ともに魚影が濃かった気がするが…。
まあ、どっちにしろ、しばらくすればフレッシュな魚が補給される。そいつらが俺を存分に楽しませてくれることだろう。それまでまあ、大型は難しいかも知れんが、ちょっとスレた小ワッパでも相手にしてやるかね!

…なんてやってるうちに、流芯の向こう岸から引いてきたPURE赤金3.5gに、どこから現れたか思いがけず50cm近いかそれ以上とも思える大型の魚影が反応!
いよっし!来い!カモン!レッツ・バイト!!
…。
ぷい、だってさ。
まあ、居残りの大型はそう易々とはね…と気を取り直して攻めるも…ちょくちょくチェイスはあり…ただなかなかバイト、フックには…いや…大型とか小型とかって問題じゃなくて、何も釣れてなくね?あれ?
激しい不安に苛まれつつも、上流の淵へと移動。
ここは大型が多く、小型もまた多い。つまり魚が多い…はずだが、今日はなんだろ、ウグイの群れみたいなのが目立つだけで…大型も1、2匹見えるが、底に貼り付いてやる気なさげな、いかにも「釣れない魚」だけか…。

てまあ、ファイトを語るほどでもないサイズではある。大型に備えて持参した大径ラバーネットが寂しい。
…こんなサイズのためにこの川に来たんじゃないぞ…。とは思うものの、まあ、ほどなく放流だ。そうすりゃでっかいのが…。

しかし…いい加減、放流があってもいい時間なのだが…。全然その気配がない。
ちょっと一休みと思い、クルマに戻り、防水防湿ウェーダーを膝までズリ降ろして涼む。ムレムレでジーパンが気持ち悪い。
…今年の春は、なんとも過ごしにくい。いきなり台風が来たり、寒くなったり、かと思えば今日は初夏そのものな暑さ。昨日と今日で気温が10度以上違うといったことがザラだ。
さて、このイマイチな状況について、駐車場に来ていた漁協のオヤジに話を聞いてみる。
最初に、大事なことについて訊く。
「放流はないんですか?」
「さあ…。偉い人が決めることだからわかんない」
「…。」
シット!こいつはまんまと嵌められたよ…。
…俺は咄嗟にそう直感した。
このオヤジは、自分で放流日を決められないのは確かだろうが、知らないわけはないんだよ。前回だって知ったし、放流するなら準備が必要だ。思いつきでやるもんじゃないんだから、漁協関係者が当日に「わからない」なんて話はあるわけない。
つまり、「わからない」は、サイトなどで告知されていた「予定した放流は無くなった」。そういう意味だろ?ただ放流日じゃないならそう言えばいい。予定を告知なくキャンセルしていることが後ろめたいから「わからん」と誤摩化すんだろう?
ちきしょうめ…今日はしっかり”特定日料金”で遊漁料(2500円)とってるくせに…。
…が、しかし…漁協のサイトや案内ビラには、特定日がおよそ金土日の週末に設定されており、放流日が毎金曜日に設定されていたものの、「放流日後3日間が特定日」とはどこにも書いてなかったから、文書的には…放流と割り増し倍額料金は無関係か…。
と、俺の超頭脳は一瞬にして漁協側の用意してあるであろう言い訳に思い至ったので、これ以上現場担当のオヤジに詰め寄るのは止めにした。
その他、訊いた話では…
まず、先日の台風でだいぶ水が出たので、魚がだいぶ流されてしまったようだ、という話。
そして、昨日に、なんでも下野新聞の何とかだか、中禅寺湖に最初にカワマス(ブルックトラウト、パーレットマス)を放した外人の孫達とか、なんとか銀行の重役だとか、とにかく何かセレブ感を漂わせたおっさんどもが10人くらいの団体で来て、ここら一帯をかなり叩いて行ったらしい(人物について、俺はそう聞いただけで事実に正確は知らん)。C&Rなので、だとしても魚は減らない筈だが、スレてる感はそれが原因かも、とかいう話。
また、そのセレブ団体?においても、ルアーはだいぶ苦戦しているように見えた、とのことで、時期柄、ルアーよりフライ有利になっているんじゃないかとも…。
…とかなんとか言う話で、まあ結論を短く言うと予想外に渋い状況の上、放流もキャンセルという、非常に面白くもない話だった。
こんなことなら管理釣り場か、同じ箒川でもいっそC&R区間外か行っておけば良かった…。
なんて一瞬思いもしたが、いや、ここに来てそんなこと言ってても時間の無駄だ。
なんにせよ、ここは頭を切り替えて行くしかないな。
では、大物をイージーにウハウハ、は諦めて、じゃあ何をしようか…。
しばらく、すっかり高くなった日差しを避けて木陰で一服しつつ思案。
で、久々にテンカラをやってみることにした。
まあ、毛鉤有利の情報に安易に従う…ってのも1ミリも無いとは言わないが、そればかりが理由じゃない。
このダイナミックなフィールドで毛鉤を振るのも面白いのではと考えて道具を持って来ていたのだ。いや、ほんとに。いつもテンカラの道具も持って来てるわけじゃないし。
ま、道具って言っても、ロッドと、テーパーラインだけ。
テーパーラインには予めリーダーと毛鉤(エルクヘアカディス)が結んである。テンカラでもインジケータ付けてやる人もいるようだが、そこまでしようとは思わん。漢は黙ってドライフライ。でも沈めちゃう。けどサイトで勝負。俺の毛鉤釣りはそんなところ。繊細なことをしようという気はなく、限りなく原始的?なノリを楽しむ流儀だ。

とりあえず、岩などに絡んで、わずかでも流れが縒れて、水が弛んでいるところを狙って毛鉤を打つ。ややして、1匹のニジマスを掛けるが、これは…うーん、ワケがわからないうちに掛かっていたという感じ。
ちょっと見渡して、浅瀬を渡って対岸方向へと進む。対岸では、樹々が岸際に陰をつくっている。その岸際で緩く流れるところには、きっと魚が着いているんではないかと。
頭上に枝が被さるような狭い場所で、岸際の小さなポイントを狙い撃ち。このようなポイントはテンカラの独壇場ではなかろうか。ちなみに俺は、こういう頭上のクリアランスがない状態ではロッドは横にして振るようにしている。
で、流れに乗せて毛鉤を流す。
流すと言っても1、2mがいいところ。それでも、水中でそれを追う影が見える!軽くアクションを加えると、魚影が加速し、反転と同時にあわせ!…ると、ぐんと竿を重さが乗る!!
その場では竿が立てられないので、ちょっと下がって本流側に出して取り込んだりと、なかなか楽しめる。あはは、イイ感じじゃないの!
と、まあ、そんなこんなで、30分余りの間に7匹を釣る。

ざっくりと釣ってまた入渓点近くまで釣り上がって来たので、そのまままたクルマに戻る。まあ、テンカラは今日はもういいや。おなかいっぱい。
さて…。
ということで、やはりルアーで大型を狙わなければいけないのだが…。
その後再度、曲がり淵でちょっと粘るが、ほとんど動くことのない1つ2つの魚影、今日は前回以上に透明度が高く、他に大型は見当たらない、それを狙ってネチネチとヘビーシンキングミノーを投げたりするのは虚しくなって来たので、すっぱり諦めて移動。の前に昼飯。
またGijieに倣ってしまって「花水木」という小洒落た食堂に行き、豚生姜焼きを食べる。…1,050円というハイコストながら、それに十分見合うと思える肉。厚く柔らかく、かなり美味かった。ただ、個人的に難点を言えば、ガーリック風味の肉にレタスのサラダって、これは生姜焼きというよりはポークソテーといった趣。下味に生姜使ってんだろうと思うが、イメージとしてさ。やっぱキャベツとマヨネーズが欲しいなあ、この場合。
さて、ともかく味はよく満足し、釣り場の駐車場に戻って車内で1時間ほど昼寝もし、午後の部スタート。
グリーンビレッジの橋のところから川に降りて釣りはじめるが、やはり魚は前回よりだいぶ少ないなあ。

石、だね。川原の。地面とつながってないので転石と言う。
渓流なんか行くと、よくこのように穴ぼこが開いた石を見かけると思う。これなんでしょうか?
…はい、これは、実は化石。このあたりが沿岸だった頃に棲んでいたと思われる二枚貝の化石ですよ。砂の中に堆積した二枚貝の貝殻。ここら辺の地質はよく知らないが、数千万年程度は前のものではないかな。よく見ると、ちゃんと二枚貝の形が見て取れると思う。カキなんかの場合は不定形でわかりにかったりするけど。
岐阜や秩父あたりなら、サメの歯とか、アンモナイトなんかもポツポツ出るはず。極めて稀に恐竜なんかも。
そういうの好きな人は、今度から注意してみて見よう。
さて、そんな風に雑学臭い話に気を散らせつつも上流へと釣りあがる。前回同様、荒瀬の上、川幅が広く浅い瀬になったところで左岸へと渡る。
渡りながら上手の右岸、岸際の緩流にスプーンを投げ込むと・・・ククン!と軽快なアタリ!流れに乗せて取り込むかたちになり軽く寄って来るが、なかなか元気のよろしい…

いやー、やっぱりヤマメはかっこいいね。平均的なサイズで見比べて、ニジマスよりイワナよりヤマメは格好いいと思う。やや尖った頭と縁取りのある目が、精悍な顔つき。プロポーションも均整が取れている。
C&R区間はニジマスしかいないものかと思ってたけど・・・。
成魚放流かな?腹側の鰭の端がまだ少し溶けてる・・・のはご愛嬌。
ま、サイズもたいしたもんじゃないけど、同サイズのニジマスに比べるとちょっといいもの釣った気分。あはー。なんて上機嫌で、だいたい川を渡りきったところでふと気づくと・・・
あ!またネットが無くなった!!
腰に装着したガテン系な工具ホルダーに引っ掛けていたのだが・・・さっき、一瞬膝上くらいの深さまで入った時か!?
本来なら管釣りスペシャルな大型ラバーネット、今回特大サイズがあんまいなくてまったく不要の長物と化していたが、管釣りに行くときは必須アイテムなわけで・・・でかいし白いし見つかるだろ、とうろうろとするが・・・・おやあ?まったく見つからない。
あんなものが、そんなに自由気ままに流れていくものだろうか・・・?そう思い、春先に思川で渓流用ネットを失くした時と違い結構しつこく探したのが・・・結局見つけられず。
うーん・・・でかいものを不法投棄?してしまった・・・無念・・・。
まあ、仕方ないので釣りの続き、上流へ。

左の写真。ちょっと下手だったな。わかりにくいが・・・3本の爪状になっている岩がわかるだろうか。これ、3個の岩じゃなくて、1つの岩、というか岩盤。
それが、にょっきりと3本の岩を尖らせて、その懐に丸い岩(一抱えよりはデカいくらい)が嵌ってる。よく見ると、ちょっと珍しい状況だと気づくはずだ。
これは、ポットホールと呼ばれる地形の、ちょっと変種というか出来損ないというかではないかと。
真ん中の丸い石は、周囲を削り滑らかな窪みを掘り下げつつ、自身もツルツルになっていっているのだろう。かなり長い時間、ここに鎮座しているのではないかと思う。
この丸いのが、ゴロンゴロンと大水のたびにここで動きつつも嵌りきって脱出は出来ずにいるわけだ・・・ご苦労な話だなオイ、なんて悠久の時を感じさせずにはおかないものの比較的どうでもよいことを考えつつ、この岩の手前とすぐ下流についている魚を狙って3.5gPURE赤金などキャスト。
流芯の方から引いてみたら、思いがけず50cm級、しかもコンディション良し!な魚がチェイスするも、マウスオープンは無し・・・。
それでも、比較的反応がいい魚はいるなとしばらく周囲を狙うと・・・

サイズとかはさっきと同じくらい、やっぱしビジュアルはいい。・・・だけど、引きはやっぱニジマスだな。ヤマメは、イワナほどじゃない気がするが、やはりグモグモと回転するような引きが多く、直線的に突っ走り跳ね回るニジマスの引きの方が手ごたえ的には面白い。
ブツブツと贅沢なことをアレコレ考えながら、なおも釣りあがる。そういやだいぶ日も傾いて来た。
岩盤帯が終わると今度はまた開けた瀬。ほんと、ここは短い距離の中でも景観に変化があり、そういう意味では飽きずに楽しめてよい。

だが、こういう場所ではあんまり釣ったことがない(またか。つまり単に経験浅いのよ)。
どっしよっかなーーーーとしばし考える。
スプーンは、軽いのは流されちゃって泳がないし重いのはすぐに根掛かりそうだ。
フローティングで、強い流れにもきっちり泳ぐヤツがいいのかな・・・。
ということで、チョイスしたのはパニシュ赤金。こいつも今日のためにフックはシングルに変えてある。
こんなところでちゃんと泳ぐかね~、魚は追えるんかね~、なんて半信半疑で呟きつつキャスト。すると、数投で追ってくる魚影を確認。
お!いけるのか!?と勢いこんで、石の後ろなど、小さく弛み、深さがあるスポットを絡めて引くと・・・ググ!という手応え!
30cm弱のニジマスながら、強い流れの中でのファイトは実サイズ以上の手応えと緊張感を与えてくれるので、そこそこ楽しい。しかも、こんなところで、こんな感じでミノー投げて釣るというのは自分の中では今まで無かったので、新しいスキルを身に付けた気分だ!
その後、上流へ向かいながら2匹ほど追加、最後は温泉旅館前の平瀬で少し粘り、大型のチェイスが複数回あるもバイトに至らず・・・。
薄暗くなってきたので適当に切り上げた。
大型が約束された出来レースだ、なんてタカをくくっていたら思い切り足元をすくわれ、結局、期待していたような大型サイズは1匹も釣れず・・・。
それにしても放流が無かったのは、本当に「騙された感」たっぷりで残念だ。いや、毎日放流してくれという意味じゃない。予定を公開して、それに合わせるかのように遊漁料も倍近く差がついていれば、そういう状況を織り込んで出向くじゃないか。それで空振りすれば、「おい!」という気分になる。
でも、今日も結局、朝から通せば10回くらいは・・・40、50くらいのサイズはチェイスがあったのだ。それを1匹獲れてればだいぶ印象も違ったのだろうが、獲れなかったのは・・・まだまだ俺も修行が足りないな。
とは言え。
結局は、振り返ってみればヤマメを含めて19匹の釣果。
解禁直後でも追加放流日でもないネイティブフィールドでこの数なら、そう悪いこともないか。と、案外上機嫌で帰路についた。
【結果 】
2008/5/23
19匹、 うちヤマメ2匹、他ニジマス。
7匹はテンカラ。
20~30cm強程度。
ヒットルアーはPURE赤金とパニシュ。
失くした物:ラバーネットorz
…けど、やっぱ漁協には、公開情報で告知した予定はないがしろにしないでいただきたいものだ。何か事情があったんだろうとは思うが、そんなところで人間相手に「釣り」をやってどうする、と言いたい。
俺みたいに思いつきで来てとんぼ返りなのより、計画立てて旅館予約して泊まりで来てくれる釣り人が地元には期待されてるはずだが、こんなことじゃ、そういう客こそ遠のくんじゃないかね?
【濡れジョンセレクト】
スミスのルアー ミノー、スピナー系を愛用。釣れてます。
TIEMCOのルアー ミノー、トップ系を愛用。イケてます。
ラパラのルアー なんだかんだで伝統の力。XR, F, CDが個人的には好き。
スミスのルアー ミノー、スピナー系を愛用。釣れてます。
TIEMCOのルアー ミノー、トップ系を愛用。イケてます。
ラパラのルアー なんだかんだで伝統の力。XR, F, CDが個人的には好き。
Posted by ジョン at 23:10│Comments(4)
│渓流
この記事へのコメント
二枚貝、きみの専門分野だね。ムギュー。
Posted by ひろし at 2008年06月09日 21:52
>二枚貝
これ以上深く調べたり語ったりしようとは思わない・・・ちょっとしたノスタルジーさ。
これ以上深く調べたり語ったりしようとは思わない・・・ちょっとしたノスタルジーさ。
Posted by ジョン at 2008年06月11日 18:53
はじめまして、いつも拝見しております。(読み逃げですが)ジョンさんの釣りのスタイルや、もう一つのブログでの切り口が好きで、更新を楽しみにしております。主張がはっきりしているので読みやすいです。いきなりの乱文失礼かと思いましたが、読み逃げをつづけるよりは、と思いコメさせて頂きました。
Posted by ギャン at 2008年06月21日 14:12
>ギャンさん
こんばんは。
コメントありがとうございます!
もう1つのブログでの切り口ですか・・・ははは。恐縮で鼻の下がモゾモゾしてしまいます。
ちなみにここ1月ほど、家庭の事情(不幸な事情ではない)で忙しく、まるっきり釣りに行けないでおり、こちらは更新も滞ってます・・・。
あー。でかいの釣りたい。贅沢言わない。せめて40アップを・・・。
こんばんは。
コメントありがとうございます!
もう1つのブログでの切り口ですか・・・ははは。恐縮で鼻の下がモゾモゾしてしまいます。
ちなみにここ1月ほど、家庭の事情(不幸な事情ではない)で忙しく、まるっきり釣りに行けないでおり、こちらは更新も滞ってます・・・。
あー。でかいの釣りたい。贅沢言わない。せめて40アップを・・・。
Posted by ジョン at 2008年06月24日 23:39
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。